ダイエットと操体
操体指導者の勉強をする時、必ず「からだの使い方、動かし方」の作法を勉強します。これは「般若身経」と言って、身体運動の法則を世界で一番短いお経になぞらえたものです。
一般的には「般若身経」を「基本運動」とか体操だという認識をしているところもありますが、当方では「からだの使い方、動かし方の基本法則、エクササイズの元になるもの」として捉えています。これは3法則と2相関性に分けられます。
- 重心安定の法則(からだの使い方) 手は小指、足は親指を運動力点・運動作用点とする
- 肘がからだの正中に向かう
- 重心移動の法則(からだの動かし方)
- 連動の法則
- 目線との相関性
- 呼吸との相関性
これらが上手くできるとどうなるかというと
- 疲れが少ない
- 能率的
- フォームが美しい
という効果があります。
私はこれを
- 自然なからだの使い方のスタンダードであり
- 診断法であり(動かしてみて、不快なところがあったりすると、アンバランスがわかる)
- 治療法(動かしてみて「快」をききわけられたら、それを味わうのが治療となる)
と定義しています。
橋本敬三先生の「生体の歪みを正す」に以下のような一文があります
さて、このどこがダイエットに関係あるのかと言うと、この「身体運動の法則」という作法が身についていると、からだを動かす場合に末端から、あるいはからだの中心骨盤から自在に動かせるようになります。また、自然体立位が自然にできるようになると、骨盤が安定し、姿勢も良くなります。また、手足を末端から動かすと、全身形態が効率よく連動し、動きはコンパクトでムダがなく、疲れないのに、深層筋をつかうことになります。
私の周囲の東京操体フォーラムのメンバーをみても、スリムで若々しい方が多いのはそのせいではと。日常的に生活の中に、「身体運動の法則」が組み込まれていて、何気ない日々の生活の中での動きが、全て操体的な動きになっているためだと思います。
また、熟練してくると、この作法の中で「快適感覚をききわけ、味わう」ということができるようになってきます。そうすると、からだ自身みずからバランスを整えてくるのです。
快に従うと、色々な現象がおこります。
私の知っている3名の男性がいます。彼らは半年から一年の間に、食事制限なしで10キロから約25キロの減量に成功しました。いえ、成功というと語弊があるかもしれません。彼らは食事制限もせず、大好きなビールも飲んで、朝晩、自分のからだの手入れのために操体を行い、快適感覚を十分味わっているうちに、自然に体重がベスト値になっていたのです。
ダイエットのための運動はなかなか長続きしませんが、操体は「きもちよさを味わう」というごほうびがあります。きもちよさを味わう事ができるので、毎日やろう、と思うのだそうです。
この話をメタボ検診世代の男性にすると『一ヶ月で何キロやせるの?』と聞かれますが、操体をやったから減量したのではなく、操体をやって、きもちよさを味わって、全身のバランスがとれて、その結果、体重が減ったということなのです。
そして、体重はそんなに変わらないのに、「やせた?」と聞かれたという方が何人もいらっしゃいました。
操体でからだがどう変わるか、というプロジェクトを1年前からすすめています。2010年秋のフォーラムで発表予定なので、どうぞお楽しみに。








